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引用(8)

ある種の思想が雇われるのは、ひとえにコノ国ハ永遠ナリと宣言するためだ。これらの思想は、夜となく昼となく、ひたすら証明してみせるのである。――コノ国ハ自然ノ一部ニシテ、不変ナリ、と。これらの思想が、永年勤務して脂肪がつきすぎると、ときおり、もっと若くて、もっと有能な、別のやつに取り替えられる。が、そいつらは、古ぼけたものを、あたらしい言葉で主張するにすぎない。


ブレヒト『転換の書 メ・ティ』(石黒英夫・内藤猛訳)




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【緊急紹介】「ある「友愛革命」論者の政治哲学から」

前々回の記事を書くにあたって、岩波新書の『オバマ演説集』をある友人にチェックしてもらったことを記したが、先日その方がわたしに「怪文書」を送ってきた。「博愛」ならぬ「友愛」を謳う小林正弥という政治学者がいるのだが、その彼が最近出した新書の神がかりぶりが凄い。あまりに凄いもんだから、思わず二日ばかりで原稿用紙40枚分相当(注込み)も書きあげてしまった。読んでくれ。


――というわけで読んでみたのだが、『友愛革命は可能か 公共哲学から考える』における小林氏の発言は、確かにとてつもないもののようだ。わたしも以前『非戦の哲学』だけは読んで、彼の非歴史的かつ蒙昧な「マルクス主義」への感覚が、彼の遠い師匠筋にあたる丸山真男の姿勢とかけ離れているのに大いに違和感を覚えたものだが(注)、「政治学」もここに極まれりといったところである。オバマ大統領の演説に陶酔しまくりの恐ろしくナイーヴな「黒人文学研究者」がいたとしても、まさか鳩山首相の演説を「魂が震えるような感動を呼び起こすだろう」と賛美する「政治学者」がいるとは思わなかったし、首相夫人の『ムー』での発言を真剣に歓迎する「政治学者」がいるとも思わなかった。かのオカルト雑誌は、一度首相夫人でなく小林氏に連載をもってもらうべきであろう。


それにしても非常に愉快な文章なので、「雑誌に投稿するなり当「手帖」に載せるなりせよ」とわたしは提案した。わたしは友人のこの批評がいわゆる「金の取れる文章」であり、正直タダで公開するのはもったいないと確信しているのだが、仮に『インパクション』などに投稿し掲載されたところで原稿料はゼロという噂なので、協議の末ネット上に仮置きするスペースを別につくることにした。かの人は「ネット言論」なるものの構築には興味がなく、今後別の文章を発表するかはまったく不明であるが、とりあえずこの一文は諸君にもぜひ読んでいただきたいので、ここに紹介する次第である。


http://zentaitsushin.blog21.fc2.com/





(注)丸山真男が、古在由重・佐藤昇・梅本克己といったそれぞれタイプの異なる社会主義者と対談した記録は、岩波現代文庫の『一哲学徒の苦難の道』および『現代日本の革新思想』上下巻(「丸山真男対話篇」全3巻、2002年)で手軽に読むことが出来る。『一哲学徒の苦難の道』において、丸山は古在に対し、戦後のマルクス主義が「学問の世界の天皇制」となっていると指摘しつつも、「まさに学生の時から、マルクス主義者、それも優秀なマルクス主義者を友人や先輩にもっていたことはつくづく自分の学問をみがくためには幸福だったと思います」とも述べており、両者の知的緊張関係が保たれることこそが日本の社会科学を発展させて行くという展望をもっていた。ちなみに、古在の子息は、小林氏の勤務先である千葉大学の先代の学長を勤めている。




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