「中東革命」は誰のものか、または匪賊対革命ごっこ(補足+)

リビアの内戦的状況、ならびに西欧諸国による「人道的介入」という名の空爆は、西欧諸国の各種左派勢力および反戦運動における混迷も大いに手伝ってか、いまだに収まる気配を見せない。そうして4月末には、カダフィ大佐の息子夫妻と三人の孫が「人道的介入」によって死亡したというニュースが流れた。一番幼い大佐の孫はまだ生後数カ月だったと伝えられている。この事件に際し、先日言及したイタリア植民地史家のアンジェロ・デル=ボカ氏は、簡潔な追悼文をカダフィ氏へ送っている。その内容は、3月中旬の声明「リビアにおける軍事干渉への反対」の共同署名者の一人であるGiulietto Chiesaの主催する情報サイト「メガチップ(MegaChip)」に5月10日づけで掲載された。サイト編集部による前書きを含め、デル=ボカ氏のメッセージを紹介する。


http://www.megachipdue.info/tematiche/democrazia-nella-comunicazione/6140-del-boca-le-condoglianze-a-gheddafi.html


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爆撃によって息子および三人の孫を殺害されたムアマル・カダフィに対し、アンジェロ・デル=ボカが送ったこの追悼の手紙を、まだ誰も取り上げていない。この手紙は格式を保っているとともに、こうした状況における通常の感情が示されている。我々がこの手紙を掲載することを選んだのは、その中で表わされた最終的な判定――この戦争が「イタリアの共和制および民主制の名誉を汚している」――を共有しようと感じたためである。歴史家であるデル=ボカは、イタリア植民地主義の残虐性と殺戮についての多くの集団的忘却を過去に取り上げ、我々の眼前に名誉を差し戻していた。プロパガンダの声のみが聞こえるこの時期において、我々は低く語られる異質な声を聞かなければならない。




ジャマーヒーリーヤ・リビアの案内人
ムアマル・カダフィ大佐に送られたメッセージ



私とあなたとの間で仲介の労を取ることを引き受けた、カトリック教会トリポリ司教ジョヴァンニ・インノチェンツォ・マルティネッリの厚意により、子息セイフ・エル=アラブと、いまだ幼かった三人の孫を亡くされたあなたに対し、心からの追悼をお送りいたします。


この事件は一つの犯罪として、植民地時代にジョリッティ(注)およびムッソリーニの指示によってなされたものにつけ加えられるものであり、不正な戦争と合法性の疑わしさについての責任を分かちあっている、イタリアの共和制および民主制の名誉を汚しているものです。


アンジェロ・デル=ボカ



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さらに同氏は、カトリック教会の布教ニュースサイト「アジアニュース」のインタヴューに応じている(5月13日づけ、英語版)。「アジアニュース」全体の論調には、現代カトリック指導層の強い保守性ないしは反共性が明らかなものの、少なくともこの問題の扱いに関しては、上記のメッセージで名前の挙がっているマルティネッリ司教の見識が影響しているものか、それなりに妥当であるように思われる。同師によるトリポリからの現地報告と、合わせて見てほしい。





(注):20世紀初頭のイタリアの代表的な自由主義政治家。1911-12年のイタリア・トルコ戦争の時期に首相を務め、植民地としてオスマン帝国からリビアを奪取した。






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