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引用(16)

それは日本人にだって、善良な奴はいるだろうさ、と達城天池は思った、朝鮮人と親しくつきあっているのは大勢いるだろうさ。しかし、これだけは知っておくがいい。貴様らが支配者としておれの国にのりこんできた、その日から、鮮人という蔑称でよびすてた日から、貴様らは朝鮮人を理解できなくなったのだ。それはそういうものなのだ。どんなに善良な奴でも、どんなにあどけない子供でも、こと朝鮮人に関してはもう絶対に理解できなくなってしまっているのだ。それが支配者というものの運命なのだ。それが日本人であり倭奴〔いのむ〕である貴様たちだ。義務徴兵を明治維新に比較し、下着〔パジ〕をもんぺになぞらえるのは、貴様らの勝手だ。そうした貴様らの恩恵の数々を耐えながら、おれたち朝鮮人は三十年をすごしてきたのだ。その三十年が朝鮮人すべてにとって、大人からいたいけない子供まで、どんなものなのか、貴様ら日本人には絶対にわからないのだ。


小林勝「贍星〔せんせい〕(明治七十八年)」


※原文における強調の傍点を太字に直し、ルビ部分は〔〕におさめた。




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